スナック経営者と著作権

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20061109i105.htm?from=main1
先日このような事件がありました。記事のタイトルを見る限りでは、「え?演奏しただけで捕まるの?!」という印象を受けた人が多いのではないでしょうか?

 私自身も今回の事件は疑問に感じることが多々あります。
確かに著作権者の利益を守るためにJASRACは利用者から使用料を一括徴収していますが、
昨今問題のYouTubeなんかとは異なり、スナックの生演奏のような演奏権に関する侵害と言うのは、いつどこで何が侵害されたか発見が困難なため、非常に見極めが難しいと思います。今回のケースでは経営者の方がJASRACを相当刺激してしまったと言うことなんでしょうか?

そこで使用料の基準が問題になってくるんですが

スナックなど飲食店でのカラオケ、楽器演奏 JASRAC

ここで一括契約を結んでしまうと、お店の形態によってはほとんど生演奏をしないお店でも一律の料金が必要になってしまいます。
私はあまり詳しくないのですが、実態としてこういったお店はきちんと使用料払ってるのでしょうか?
使用料のシステムがおかしいから、払わなくていいということにはなりませんが、利用者が萎縮して音楽が自由に使えなくなってしまう、では著作権法本来の意図と違った方向に行ってしまいかねません。そんなことにならないようなシステムの構築が求められると思います。

そもそも楽曲を作った創作者(著作者)の方々はスナックにおける生演奏までにも権利を及ぼしたい(使用料が欲しい)と思ってるのでしょうか?
仮にそうだったとしていつどこで音楽の演奏が行われていて、それをきちんと把握して使用料を徴収するシステムを構築することなんてできるんでしょうか?(現在は一括徴収)
問題は山積みです。

個人的には生演奏にまで権利を主張する必要があるのかなあって感じます。
それによって権利者が経済的な損失を受けているかちょっと疑問です。

何となくJASRAC批判みたいになってしまいましたが・・・
フォローじゃないですが、著作権法の原則にのっとって他人の著作物を利用する時に権利者の許可が必要とした時に、JASRACみたいに日本の音楽の著作権をほとんど持ってる団体があれば利用者としては便利ですよね。いちいち誰が権利を持ってるのか調べなくてもJASRACに問い合わせれば、済む場合が多いから。
これは本当に音楽に関してだけで他の分野の著作物に関してはそうはいきません。
これも著作権を語る上で今後の大きな課題じゃないでしょうか?